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首締め強盗(マドリード)

2000年の8月にスペインのマドリードに旅行した際、「首絞め強盗」に遭ってしまったのですが、その時の状況を(記憶をもとに)なるべく正確に書きました。

−−−

強盗に襲われたのは、アルカラ通り沿いにあるスペイン銀行の入り口付近。
夜遅い、銀行の営業がすでに終了している時間でした。

そのへんは夜になると人通りがすごく少なくなる場所だったんですけど、そういう危険なところに場所に僕らは入りこんでいってしまったわけです。

それでも僕らがスペイン銀行のあたりにさしかかったときは、まだ他に数人の人が歩いていたんですが、その人達が通り過ぎていってしまって、あとに残ったのは僕と友達の二人だけ、という状況ができあがってしまいました。

しかもそこに少し立ち止まって地図を片手に「ここはどこだろう?」とか言いながらボーっとしちゃってたんですよ。


彼らが突然背後から襲ってきたのは、その時でした。

たぶん襲えるタイミングをどこかでうかがってたんでしょうね。
おそらく相手は4〜5人で、それが2手にわかれて襲ってきました。

ひとりが僕の首の後ろから腕をまわして絞めあげてきて、もう一人が腹をボスボスと殴ってきました。

で、たぶんもう一人が、僕が肩から掛けてたカバンを奪い取るという役割分担だったんだと思います。


首をしめられた瞬間に思ったことは「しまった、油断した!!」でした。

かなりの力で絞めてきていたので「あぁ、このまま意識がなくなるのかな」などと考えつつ横目で友達のほうを見ると、彼も同様に首を絞められているのが見えたのですが、助けにいきたくてもどうにもなりません。


でも、どうやら絞めかたが多少甘かったらしく、意識を失うことなく抵抗しつづけることができたんです。

しかも首を締められていることもあって、自然と腹筋に力が入っていたのか、ボスボス腹を殴られてもそちらは全然効いていません。

(相手も、みぞおちとかを狙ってくれば一発で終わってたんでしょうけどね)


そんなこんなでしばらく揉みあいつつも、僕の肩かけカバンをうまい具合に抜きとることができたのか、彼らは一斉に逃げ去ろうとしました。

でも運良く、彼らが持ち去ろうとしていくカバンのヒモを掴み取ることができたので、しばらく強盗とカバンの引っ張りあいになりました。


そうこうしているうちに通行人が来たらしく、彼らは僕のカバンをあきらめて逃げ去っていったので、僕のは無事に取りもどすことができたんですが、

友人のカバンは奪い取られてしまいました・・・。


その通行人のカップルが親切な人たちで「大丈夫?」とか「警察に盗難届けを出したほうがいい。場所を教えてあげるから」とか助言してくれまして、

それにしたがってレティーロ警察にいくことにしました。


警察では、まず夜間受付みたいな窓口に行きまして、そこで渡された用紙(被害届)に被害状況を書きこみました。

確か「自分の国籍」「パスポート番号」「被害にあった場所」「時間」「相手の人数・国籍」「詳しい状況」「盗られたもの」といった内容だったと思います。

(で、盗られたものが無事に見つかったら、ホテルのほうまで連絡をしてくれるということだったんですが、結局旅行中に連絡が来ることはありませんでした。)


ちなみに、そのレティーロ警察では英語がほとんど通じなかったんです。

夜遅かったので、英語が分かる人がたまたま居なかっただけなのかもしれないですが、そこにいた4〓5人の警官のうち、かろうじて英語を理解できる人が一人だけ。

大都市の中心にある警察署なのに誰も英語が話せないだなんて、ある意味すごいことだよな、と思った記憶があります。

(もう6年くらい昔の話なので、今はだいぶ状況は変わってると思うのですが。)


そして今考えてみると、スペイン銀行にさしかかる数分前に、歩道ですれ違ったおじさんが「このへんは危ないから気をつけろ」と言ってくれていたんですが

スペイン語を充分に理解していなかったし、すれ違いざまに早口で言われたので、その時は危険に気がつくことができなかったんです。

でも予兆は確かにあったわけで、旅先ではそういうものに敏感であり続ける必要があるんだなぁと痛感したできごとでした。


この首絞め強盗に遭ったのは、スペインに旅行して一ヶ月が過ぎたころ。

そろそろ向こうの生活にも慣れてきたタイミングだったので「自分が盗難に遭うはずがない」みたいな油断が大きくなってしまってたんだと思います。

しかもそれまでサラマンカという、マドリードに比べるとはるかに安全(夜中に一人で暗い夜道を歩いていても、何か被害にあうことは殆どといって良いくらい無い)な場所にずっと滞在してたんですが

そこにいたときの感覚をひきずったままマドリードに来てしまったのもいけなかったのかな、と思います。

今はマドリードの危険度もだいぶ落ち着いてきたみたいでしたが、2000年当時は、地方都市にくらべてマドリード・バルセロナの危険度は突出していたと思います。

☆追記:スペイン首絞め強盗の最新事情

在スペイン日本国大使館のHPによると、首絞め強盗の発生件数は(僕が被害にあった)2000年の353件に比べると、2008年は10件というように【激減】しているようです。

スペイン政府が、首絞め強盗の多発している場所を中心として警備やパトロールを強化したり、旅行者にむけて注意をよびかける日本語で書かれたパンフレットを主要なホテルや駅・バスターミナルに置く、、、といった努力をしてくれてる成果が出ているんだとか。

首絞め強盗のブーム(?)はすでに過去のものになっている、というかんじでしょうか。


なので、よく「首絞め強盗と聞くとスペインは怖いというイメージがある」という話をよく聞くのですが、それについてはあまり心配しなくて大丈夫になったといえると思います。

でもだからといって犯罪を全く警戒しなくてよくなったというのではなく、無警戒でいたら何らかの犯罪に遭う確率が高くなるというのは他の外国を旅するときと同じです。


要するに「スペインは首絞め強盗が危険だから行きたいけど怖いから行けない」というイメージを持ってるのであれば、今はそのイメージは正しいものでは無くなっている、ということですね。

スペインの首絞め強盗事情やその他の犯罪についてのさらに詳しい情報は、在スペイン日本国大使館のHPに書かれてますので興味があれば読んでみてください。

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